代表理事ご挨拶

一般社団法人コンビナート連携推進機構は、我が国のエネルギー・素材等の安全安定確保に向けて、コンビナートを取り巻く課題の解決を図り、カーボンニュートラル社会に向けた新たなコンビナートへの進化を目指すことを目的に設立されました。

我が国においては、高度成長期以降、主として臨海工業地域において、隣接する複数企業が様々な施設を計画的に配置したコンビナートが全国各地で整備され、これらのコンビナートは、域内企業の相互連携による生産性向上により、素材やエネルギーの安定供給に貢献してまいりました。

今世紀に入り、これらコンビナートでは、資本の壁を越えた統合運営という課題への取り組みが進み、単独企業のみでは達成困難な様々な課題が解決され、結果として、我が国のコンビナートは、世界に類を見ない多様かつ重厚な産業の集積、かつ、それぞれの地域社会と連携した存在として、我が国の経済社会発展の礎となりました。
近年、世界は地球温暖化対策に向けて大きく舵を切り、我が国も2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。世界は、エネルギーについては質の転換、素材については炭素資源循環による量の確保という、質と量の両面にわたる新たな社会経済の構築を目指すこととなるでしょう。
我が国が現在の経済・社会活動を損なうことなく、新たな世界に適応していくためには、その基盤であるコンビナートの蓄積を活かすべきと考えます。

当機構は、カーボンニュートラル社会に対応した様々な素材やエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図りつつ、コンビナート相互の競争と協調を促進するとともに、更なる地域社会との連携を図り、もって我が国の社会経済発展に寄与してまいります。